2022年6月17日
S45Cの調質材に関連する規格(JIS)をご紹介
S45Cの調質材に関連する規格をご紹介します。
そもそもS45Cは、JIS規格によって規定された機械構造用炭素鋼のことを指します。
規格では、下記表の規格番号にてそれぞれS45Cについて記載されています。
■S45Cに関連する規格
規格 | 名称 |
---|---|
JIS G4051 | 機械構造用炭素鋼鋼材 |
JIS G3478 | 一般機械構造用炭素鋼鋼管 |
JIS G3123 | みがき棒鋼 |
ちなみに、化学成分やその他の鋼材の種類に関する規格は、JIS G4501で規定されています。
また、鉄鋼の調質材(熱処理)に関する規格もあります。
■調質材・熱処理に関連する規格
規格 | 名称 |
---|---|
JIS B 6911 | 鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工 |
JIS B 6913 | 鉄鋼の焼入焼戻し加工 |
JIS B 6912 | 鉄鋼の高周波焼入焼戻し加工 |
エースでは規格で定められている材料の熱処理、矯正、調質材の加工などが可能です。
ご紹介した規格の材料だけでなく、その他の加工もワンストップでご依頼したいという場合においても、フレキシブルに対応致します。
今回は、規格の中でも当社で対応しているS45Cの調質材についてより詳しくご紹介します。
当社の加工領域についても詳しくまとめておりますので、加工会社をお探しの方はぜひご参考ください。
S45Cの調質材は機械部品などに使用される材料
S45Cの調質材は規格にもある通り、ボルトやナットなど一般的な機械部品によく使用される材料です。
もともと熱処理をしなくてもある程度の硬度はありますが、熱処理によって硬度を高くすることができ、機械的性質が向上します。
そのため、硬度が必要な機械部品にも調質材は幅広く対応できます。
もしS45Cの規格の調質材で機械部品の製作ができる業者をお探しの方は、エースへご相談ください。
S45Cの調質材の表記は?
S45Cの調質材・熱処理された材料の表記には下記の記号が使用されます。
- H・・・焼入れ・焼戻しされたものを表す
- N・・・焼ならしされたものを表す
- A・・・焼なましされたものを表す
表記の仕方は、例えば焼戻しされたS45Cの材料はS45C(H)、S45CH、S45C-H、またHを丸で囲む(マルH)ように表記されることもあります。
みがき棒鋼の場合においては表記が異なります。
- Q・・・焼入れ・焼戻しされたものを表す
- N・・・焼ならしされたものを表す
- A・・・焼きなましされたものを表す
- AS・・・球状化焼なましされたものを表す
また加工方法を示す記号や公差等級などとあわせて表記されます。
例えばS45C-DQであれば、Dは冷間引抜き加工を表す記号ですので、冷間引抜き加工され、焼入れ・焼戻しされた材料ということが分かります。
S45Cの焼ならし・焼なまし・焼入れ・焼戻し(熱処理条件)
S45Cの焼ならし・焼なまし・焼入れ・焼戻しの熱処理条件(JIS規格)をご紹介します。
■熱処理条件(JIS規格)
焼ならし | 820~870 空冷 |
焼なまし | 約810 炉冷 |
焼入れ | 820~870 水冷 |
焼戻し | 550~650 急冷 |
熱処理方法は様々ですが、ここではその一部をご紹介します。
- 全体焼入れ(ズブ焼入れ)・・・材料の芯部まで焼入れをすることで全体を硬化させる
- 真空熱処理・・・真空の中で加熱・冷却し、表面を硬化させる
- 窒化処理・・・表面から窒素原子を拡散浸透させて表面を硬化させる
- 高周波熱処理・・・高周波誘導加熱後、急速冷却して表面を硬化させる
当社では、真空熱処理、高周波熱処理、ガス窒化・軟窒化に対応しております。
JIS規格S45Cの焼入れ後の硬度(HRC・HV)の変化
JIS規格S45Cの焼入れ後、硬度(HRC・HV)がどのように変化するのかご紹介します。
焼入れ方法やワークのサイズなどで数値は変動しますので、参考程度に御覧ください。
比較 | HV | HRC |
---|---|---|
焼入れ前 | 220~280 | 16~27 |
焼入れ後 | 600~750 | 55~62 |
※HRCはHVを換算したおおよその値です
焼入れ前・焼入れ後を比べると、数値が上がっていることがわかります。
このように調質材は硬度が高いことから、ギアやプーリーなどエンジン周りの部品から、その他一般的な機械部品まで幅広く使用されます。
熱処理をお考えの方は、お問い合わせの上ご相談内容を詳しくお聞かせください。
お問い合わせ先は当社のお問い合わせフォーム、もしくはお電話にてお気軽にご連絡ください。
S45Cは高周波焼入れで硬度を上げることができる
S45Cは高周波焼入れで硬度を上げることができる素材でもあります。
高周波焼入れはワークコイルを加工物に差し込んで加熱し、急冷することで表面の硬度を上げることができます。
これにより高い硬度を得ることができ、JIS規格S45Cの調質材は靭性や疲労強度、耐摩耗性などが上がります。
また、高周波焼入れに適した材質であるといわれており、60HRC近くまで硬度を得ることも可能です。
こういった点から、高周波焼入れされた調質材は車輪やレールの材料にも選ばれます。
エースではJIS規格S45Cの調質材の加工が可能です
JIS規格S45Cの調質材の加工なら、エースにお任せください。
当社では、規格の範囲内外で多くの機械部品や治具・ユニットを自社工場にて製作してきた実績があります。
また、専用の部品や規格外の部品など必要に応じた製作ができ、小ロット・多品種にも対応しています。
当社は経験豊富なスタッフが揃っておりますので、名称や形状、用途などをお伝えいただくだけでも製作に関するご提案が可能です。
金属加工や製作を考えているけど、JIS規格S45Cの調質材が適しているのか分からないという方もまずはご相談ください。
焼入れや歪み矯正にも対応
当社は自社工場での加工だけでなく、全国に300社を超える協力会社と連携しています。
そのため、ワンストップで焼入れや歪み矯正、その他必要な加工をご依頼することが可能です。
一つの部品を作るにしても複数の加工が必要な場合、各工程ごとに別の会社に依頼するのはとても大変です。
しかし当社ではマシニング加工だけでなく、焼入れや歪み矯正など、必要な工程を一度のご依頼で達成することができるのです。
さらに各工程ごとに検査をするので、品質の心配もありません。
調質材に限らず、どういった規格の材料や加工が必要になるかご相談も可能ですので、まずはお問い合わせください。
JIS規格S45Cの調質材の加工はエースにお任せください
JIS規格S45Cの調質材の加工や部品の製作をお考えの方は、エースにご相談ください。
当社はS45Cの調質材を使用した機械部品の製作の他にも、治具製作、試作品、ユニットの製作・組立などが可能です。
「規格にない専用部品を作りたい」
「焼入れなど他の加工もあわせて依頼したい」
こういったご要望が叶えられる加工会社をお探しでしたら、ぜひエースへご連絡ください。
これまでの製作実績や見積もり依頼、その他気になることがございましたら、下記お問い合わせ先よりご連絡ください。
【お問い合わせ先】
電話番号 03-3790-5500
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