2023年2月10日
SS400に表面処理は必要?
SS400は表面処理が必要な材料なのか、金属加工業者のエースが詳しく解説します。
SS400は、『SS(Structural Steel)』で表されるSS材の中でも流通量が多く、広く使用される材料です。
例えば、船舶や建築などの構造材などによく使用されます。
また、治具の材料費を抑えたいときなどに選ばれる材質でもあります。
ただし、炭素や他の金属などの含有割合が非常に低いため錆びやすく、油を事前に塗布・塗装したり防錆処理を行う必要があります。
防錆防止でよく施される処理加工には、黒染め、亜鉛めっき、クロムめっき、ニッケルめっき加工などがあります。
このように、腐食対策の表面処理をして使用するのが一般的です。
SS400にできる表面処理の種類
表面処理の種類や方法は様々ですが、SS400には行うことができない表面処理があります。
SS400に適さない表面処理については、後ほど特徴や性質とあわせて解説します。
主にSS400に行われる表面処理は、成形後の仕上げとして行われる「研削・研磨」と、サビを防ぐための「めっき・塗装」です。
冒頭ではめっき・塗装は一般的に行われるとご紹介しましたが、研削や研磨もめっきを行う過程で必要になることがあります。
ここからは、SS400の研削・研磨や錆びを防ぐための適切な表面処理の方法について詳しくご紹介します。
めっき・塗装
めっきは機能向上や外観を美しくする目的で行われますが、SS400は主に防錆を目的としためっき加工をします。
そのため、SS400の場合は耐食性を重視したクロムめっきなどの表面処理が選ばれます。
クロムめっきとは、素材の表面にクロム金属を析出させるめっき加工です。
クロム金属は酸素と大気中で化合しやすく、表面に不動態皮膜を形成します。
この不動態皮膜により、SS400の酸化を防ぎ、耐食性・光沢・硬度を得ることが出来ます。
また表面を硬くする事により、耐摩耗性の向上にも期待できます。
研削・研磨
研削・研磨加工は、見た目を美しくしたり、手触りをよくする目的や、寸法精度を上げるために行われる加工方法です。
研削や研磨の方法はいくつか種類があり、その方法によって仕上がりは異なります。
さらに研削・研磨を施すことで、傷がつきにくくなるなど耐摩耗性や耐食性が向上するメリットがあります。
SS400の場合はめっきをすることが多いため、その前後に研削や研磨を行います。
めっき前後に研磨やミガキ加工を施すことにより、装飾、耐摩耗、寸法精度を向上させてより良いものに仕上げることができるからです。
エースは材料の手配から機械加工、研磨、めっきまで対応可能です。
各工程ごとに別の会社に依頼すると、時間的なコストや手間がかかりますが、エースはまとめて一括でご依頼できます。
まずは当社営業スタッフへご相談いただき、ご依頼内容を詳しくお聞かせください。
SS400の特徴や性質
SS400の特徴や性質についてご紹介します。
表面処理の種類によっては、その特徴や性質からSS400に適さないこともあります。
- 錆びやすい
- 鉄鋼材の中では柔らかい
- 熱処理に適さない
- 溶接しやすい
- 切削や板金などの加工に向いている
- 比較的安価で入手が容易
- 汎用性が高い
このように広く流通している汎用性のある素材であり、上記のような特徴を持っています。
SS400中の炭素含有量が少ないため、熱による影響を受けにくく溶接が容易です。
さらに、比較的柔らかい素材のため、切削や板金などの加工も容易に行うことが出来ます。
ただ、焼入れ性が悪いため熱処理によって硬度を得ることはできません。
鉄鋼材料の中では特別強い材料ではないため、強度を求める場合は別の素材も含めて検討する必要があります。
SS400はどんな製作に使用される?
冒頭でも少しご紹介しましたが、SS400は構造材によく使用される材料です。
構造材だけでなく、比較的に低価格で加工がしやすいことから他の場面でも幅広く使用されています。
そのため、必要に応じてめっきや研磨などの表面処理を行います。
ただし回転や振動など重い負荷がかかる場合は、より強度の高い材料を選びます。
使用されている場面の具体的な例をあげると、機械設備や橋、船舶、車両などを製作する際に用いられることが多いです。
また溶接できるため、溶接部品(製かん品)にも選ばれたり、曲げに強いことから、H形鋼、T形鋼、L形鋼にも用いられています。
エースでは表面処理の他に、溶接構造部品の加工にも対応しております。
後加工を考えて仕上げますので、仕上がりにはご好評頂いております。
表面処理だけでなくこういった加工にも幅広く対応しておりますので、まずはエースの営業スタッフにご相談ください。
S45CやSPCCとの違いについて
SS400と並んで使われることが多いS45CやSPCCとの違いをご説明します。
どちらも広く使われている素材であり、加工性に優れていますが防錆などの表面処理も必要です。
S45CはSC(Steel Carbon)材と呼ばれる一種であり、0.45%の炭素が含まれています。
SS400と比較すると、引っ張り強さや耐力は向上しますが、伸びは劣ります。
一方でSS400とは違い熱処理ができるので、より高い硬度を得ることができます。
そのため、機械内部の部品(ナット、ボルト、歯車)など、強い負荷や振動がかかるところで使用されます。
SPCCは熱間圧延鋼板を冷間圧延機で圧延した冷間圧延鋼板を指します。
冷間圧延のため表面は綺麗に仕上げることが出来ますが、SS400に比べて強度に劣ります。
柔らかい素材のため曲げやすく、車両のボディや機械のケースなどに使用されます。
エースではSS400をはじめとする鉄の表面処理に対応
SS400の表面処理や、その他金属加工をお考えの方はエースへご相談ください。
エースは機械部品加工をはじめとし、治具やユニットの製作を手掛けています。
表面処理は、めっき、コーティング、研磨、焼入れに対応しております。
ここではSS400に可能な当社の表面処理の種類をご紹介します。
▼めっき・コーティング
- クロムめっき
- 硬質クロムめっき
- 溶融亜鉛めっき(どぶ付け)
- 亜鉛メッキ(六価、三価、またクロメート処理有り)
- ニッケルめっき
- 無電解ニッケルめっき
- ニッケルクロムめっき
- 錫めっき
▼研磨
- 平面研削
- 円筒研削
- 内径研削
- センタレス研磨
- ホーニング
- バレル研磨
- バフ研磨
- ジグ研磨
電解研磨に関しましては上記に記載がありませんが、SS400の場合は材料が溶けやすくなるため、加工に適さないからです。
上記の研磨加工について一部ご紹介しますと、例えばジグ研磨は精度を高く仕上げる際に採用されます。
加工の種類によって仕上がりやコストが異なりますので、SS400のめっきやコーティング、研磨を考えている方は、まずはお気軽にご相談ください。
表面処理以外にも、フライス加工や溶接部品加工などにも対応しております。
具体的にどういった加工ができるのかについては、当社HPで詳しくご紹介しておりますのでご確認ください。
SS400の処理加工のご依頼、見積もりなどのお問合せ先はこちら
SS400の加工の中でも、今回は表面処理をピックアップしてご紹介しました。
表面処理のご依頼をお考えの方は、まずはお気軽にご連絡ください。
ただ、金属加工の業者はたくさんあるので、どこを選べば良いのか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
当社は短納期に対応しており、VE提案・VA提案を行っておりますので、品質やコストなどに関してもご相談できます。
これまで多くの案件に携わってきた実績・経験を元にご提案いたしますので、困ったときの相談相手としても高く評価いただいております。
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