2023年8月29日
C1100の研磨は金属加工のエースにお任せください!
C1100の研磨加工は、東京都大田区のエースにお任せください!
当社はモノづくりの町、大田区にて金属加工を承っております。
材質選定から加工、組み立てまでワンストップでお任せいただけるほか、品質向上に貢献するVA提案、VE提案にも対応いたしております。
モノづくりでお困りのことがありましたら、お気軽に当社にご相談ください。
今回のコラムでは、純銅の一種、C1100の研磨加工について解説いたします。
素材の知識を深めることはモノ作りにおいてとても重要です。
C1100の基本的な特徴や性質、そして研磨加工についてご紹介いたしますので、是非ご参考ください。
また、難易度の高いC1100の加工でお困りでしたら、当社が長年培ってきた経験、実績によりお役に立つことができるかもしれません。
モノづくりでお困りのことがありましたら、お気軽にご相談ください。
C1100とは【特徴・性質】
C1100(タフピッチ銅)は純銅の一種です。
純銅はその名称の通り、純度が高い銅(99.9%以上)を指し、加工性や耐食性にも優れています。
純銅はC1100以外にも種類があり、それぞれ違いがあります。
・タフピッチ銅(C1100)
・無酸素銅(C1020)
・りん脱酸銅(C1220)
タフピッチ銅と他の純銅との違いは、無酸素銅よりは材料価格が安く、りん脱酸銅より誘電率が高い点が挙げられます。
また、タフピッチ銅(C1100)に含まれている酸素量は0.02〜0.05%で3種類の中で最も多い点も大きな特徴であり、他の純銅との違いと言えるでしょう。
更に詳しく、C1100の特徴を3つご紹介します。
1.高い導電性
C1100の特徴のひとつは、高い導電性です。
C1100の酸素含有量は無酸素銅よりも多いですが、導電性の高さは無酸素銅とほぼ同じと言われています。
なぜ酸素含有量が多いのに無酸素銅と同等の導電性があるのか、疑問に感じられた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
これにはC1100に含まれている酸素の働きが関わってきます。
C1100は成分中に酸素を含んでおり、この酸素には導電性を低下させる不純物の働きを抑制する働きがあります。
これにより、C1100はC1020(無酸素銅)と同等の導電性があるのです。
また、りん脱酸銅の導電性は3種類の純銅の中では最も低いのが特徴です。
C1100は導電性がよく材料価格も安価ですので、使用する環境や加工内容によりますが、導電性が求められるシーンにおすすめの材料のひとつといえるでしょう。
2.優れた熱伝導性
C1100は高い導電性もありますが、熱伝導性にも優れている特徴があります。
この高い熱伝導性はステンレスの10倍以上もあります。
このことからC1100は高い熱伝導性が求められる用途に適した材料といえます。
ですが、200℃以上の温度を越えて使用すると、柔らかくなってしまう性質もあるため、低温で使用することをおすすめします。
また、後述しますがC1100は熱伝導性に優れている一方、600℃以上の高温の環境で水素脆化を起こします。
このため、加熱したり高温環境下での使用目的の場合は避け、他の材質を選択した方が良いでしょう。
3.耐食性にも優れている
C1100は耐食性に優れていて、錆びにくいのも特徴の1つです。
銅は空気中の酸素に反応しやすく酸化銅と呼ばれるものを形成します。
この酸化銅が材料の表面に皮膜として現れ、材料の酸化や腐食を防いでくれます。
これらのことからC1100は錆びに強いので水に触れる場所などでも多く使われるのです。
ですが、腐食を防ぐ一方で変色し見栄えが悪くなってしまう側面もあります。
耐食性がある一方、変色をしやすい特徴は、C1100をはじめとした全ての銅に共通しており、加工時にも注意が必要です。
装飾目的など、美観が重要視される製品を加工する場合には、銅の扱いに慣れている加工会社に依頼すると良いでしょう。
こちらの記事でもC1100の材質について詳しく紹介しております。是非ご覧ください。
C1100の材質とは?成分や物性、加工のポイントについて解説
C1100の用途
C1100は非常に高い誘電性と熱伝導性があることから電気関係の部品に使われることが多いです。
主な使用用途は以下のとおりです。
・機械部品
・プリント基板、配線、端子
・トランス用コイル
・電極(ブスバーなど)
・自動車部品
・建築材(屋根材、配管など)
・調理器具(炉の窯など)
C1100は高温になると水素脆化のリスクがあるので、純銅を高温の環境で使用したい場合には、無酸素銅を選ぶと良いでしょう。
C1100の研磨加工について
C1100の研磨加工で良く行われている、一般的な加工をご紹介しましょう。
平面研削 | ワークに精度を出します。 |
バフ研磨 | 鏡面仕上げなど、磨いて光沢を出すことができます。 |
電解研磨 (エッチング) |
バフ研磨では困難な細かい部分の研磨で光沢、平滑な面を出します。 |
化学研磨 (キリンス処理) |
化学研磨は、電流分布の影響を受けないため、ムラなく均一に研磨できます。
微細な製品の研磨に適していますが、研磨に使用する液が高価なため、研磨するワークの数量が少ない場合には不向きです。 |
C1100に限らず、銅は表面の硬度が高くないので、変形しやすく、傷がつきやすく高い面粗度に仕上げるためには高い技術力と経験値が求められます。
銅は高級材に当たるので、切削、研磨等の加工で、失敗を懸念した加工業者から依頼を断られてしまったご経験のあるお客様も多いのではないでしょうか。
銅の加工は切削加工、研磨加工の業者であればどこでも依頼できるということではありませんので、銅を扱った実績が豊富で、設備も整っている加工業者に依頼すると良いでしょう。
当社、エースでは銅の扱いの実績がありますので、C1100をはじめとした銅の研磨・研削加工会社をお探しでしたら、一度お気軽にご相談ください。
C1100を取り扱うときの注意点
C1100は加工性や耐食性などに優れた素材ですが、取り扱う際には注意をしたい点もあります。
高品質なモノづくりのために、C1100の注意したい特性を理解しておくことは重要です。
C1100を使用するときの注意点は下記の3点です。
■C1100を取り扱うときに注意したいポイント
・加工時には銅特有のトラブルに注意
・変色・変形
・水素脆化
・傷(擦り傷等)がつかないように気を付ける
具体的な注意点について、以下にて詳しく解説いたします。
1.加工時は注意が必要
C1100は純銅であり加工性に非常に優れています。
ですが、曲げ加工や切削加工をする場合にはそれぞれ注意する点があります。
純銅の切削加工では材料が柔らかく粘り気があるので加工後にバリが出やすくなります。
このバリを抑えるために、銅に適した切れ味の良い刃物を使用することをおすすめします。
また、銅の加工では構成刃先が発生しやすくなるので、刃先が高温にならないように切削油を使用して加工するほうがいいでしょう。
曲げ加工では、C1100は強度がそれほど高くないため、厚みがある場合はクラックしてしまう可能性があります。
曲げ加工をする場合は使用用途にあわせて他の銅の種類への変更も考えましょう。
研磨における注意点として、「熱変形」と「ビリ目」が挙げられます。
研磨は砥石を高速回転させるため、加工時に発生した熱により、銅が膨張して変形を起こしてしまうことがあります。
この変形を少なくするためには、クーラントをかけて冷やしながら研磨をすると良いでしょう。
また、「ビリ目」は、砥石の目詰まりによって引き起こされます。
ビリ目とは、ワークにウロコのような模様ができてしまう現象の事です。
銅は柔らかいため、研磨時に砥石が目詰まりすることがあり、この目詰まりがビリ目の原因となります。
ビリ目を防ぐためには、研磨の前にドレッサーで砥石の新しい面を出し、整えてから作業をすることをおすすめします。
また、目詰まりを防ぎ、効率よく研磨するためには、銅と相性の良い砥石を選択するようにしましょう。
2.変色、変形が起こりやすい
C1100だけではなくすべての銅に共通する特徴ですが、銅は耐食性があり、錆の進行はしにくいものの、酸素や水に触れると錆びて変色します。
また切削加工の際、水溶性のクーラント(切削油)を使用すると変色しやすいので、クーラントは水溶性ではなく、銅に適した油性のクーラントを使用した方が良いでしょう。
また、加工後の洗浄でも、水分が残ると変色しますので注意しましょう。
更に、延性のある素材のため、加工条件によっては変形が起こりやすい材質でもあります。
見た目が重要な装飾品などに使用する場合は、仕上がりの問題に注意して取り扱うようにし、発注する場合には予め美観重視であることを業者に伝えておくことをおすすめいたします。
3. 水素脆化のリスク
C1100には水素脆化を起こすリスクがあるため、使用環境や加工内容に注意が必要です。
C1100には酸素が含まれているため、600℃以上の高温状態になると水素脆化を引き起こします。
水素脆化が起こると遅れ破壊の原因にもなるため、高温の環境で使用する場合や、溶接など熱が加わる加工の場合には、C1100ではなくC1020(無酸素銅)を選択すると良いでしょう。
C1100は他の純銅と比べると流通性も良く安価なため、よく選ばれる材質ではありますが、用途や加工内容によっては水素脆化によって品質を低下させてしまうことがあります。
C1100にする理由が特になく、高温下での環境で使用する場合には、他の材質を検討してみてください。
当社は用途や加工内容に最適な材質をご提案する事も可能ですので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
4.傷をつけない
加工中はもちろん、その前後でも気を付けたい点として、図面で指示されていなくても「傷をつけない」事も重要です。
これは銅が高価な素材ということもあり、加工を発注されるお客様は「銅製品はキレイに仕上げるもの」という認識をお持ちであるケースが多いからです。
加工時は機械にセットする際、治具(クランプなど)で打痕がつかないように注意するほか、準備や加工終わり、検査、梱包、搬送時などにも傷がつかないよう、注意することをおすすめします。
傷がつかないように注意するのは、銅に限らず、アルミ、ステンレスなどの高級材に共通します。
また、加工会社に発注をする場合には、銅の加工実績があり、取り扱いに慣れている工場を選択する事をおすすめします。
エースの高精度な研磨加工に対応しています
エースはC1100をはじめとした純銅・銅合金の加工に対応いたしております。
今回のコラムでは、素材の特徴、そして研磨加工の種類(平面研削、バフ研磨、電解研磨等)、取り扱う際に注意したいポイントについて紹介いたしました。
当社は自社で工場を所有しており、全国に300社以上の工場と協力関係があるため、あらゆる材質、加工が可能です。
切削や表面処理はもちろん、C1100の研磨・研削加工にも対応しており、平面研削盤での精度出し・面粗さを出す高精度な研磨・研削加工を得意としております。
美観重視、切削後にバリを抑える研磨加工をしてほしいなど、ご要望がありましたらお気軽にお申し付けください。
確かな加工技術の提供はもちろんのこと、品質管理も徹底しておりますので、お客様がお求めの要求に応じた研磨加工をいたします。
精度を出す平面研削(研磨)、美観のためのバフ研磨や電解研磨、いずれも対応が可能ですのでお気軽にご相談ください。
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