2023年3月20日
S45Cの表面処理の種類についてご紹介
S45Cの表面処理にはどのような種類があるのでしょうか。
機械素材としての汎用性の高さから、部品メーカーや加工メーカーをはじめ、機械メーカーでもS45Cは認知度が高い材質です。
(※昔は図面上S450Cと記載されている場合もありました。)
S45Cは入手性が良く、価格も安価なことから一般的によく使われている鋼鉄材です。
そんなS45Cのメリットを最大限高め、デメリットを低減させるため、表面処理を施す場合があります。
表面処理にはいくつかの種類があるため、目的に応じた加工方法を選択します。
今回はS45Cについて、そしてその表面処理の種類にはどんなものがあるのか、東京都大田区の金属加工のエースがご紹介します。
S45Cについて
S45Cとは機械構造用に用いられる炭素鋼です。
S45CはJIS規格で定められており、S45Cの名前はS:スチール(steel)とC:炭素(carbon)から来ており、45というのは素材に含まれている炭素割合を指します。
組成としては、スチールと炭素以外にもマンガン(Mn)やリン(P)、ケイ素(Si)も含まれておりますが、炭素割合によって硬度が変化し、炭素割合が高いほど硬くなります。
入手性が良く、比較的安価なことから、用途の幅が広く、エンジン周辺部品やギア、他にもピンやボルトに使用されています。
S45Cに表面処理をする目的とは
用途が幅広いS45Cに表面処理をする理由や目的とはどのようなものでしょうか。
表面処理の目的は機能性の向上です。
S45Cの場合、炭素量が多いため錆びやすい性質があります。
このため、用途によっては防錆を目的とした表面処理を施す必要があります。
他にも表面処理を行うことにより、耐摩耗性や硬さをコントロールでき、耐久性を高めることも可能です。
また、幅広い用途での使用が見込まれるため、装飾性を向上させ見た目を良くすることもS45Cの表面処理の目的として挙げられます。
S45Cの表面処理について
S45Cの表面処理についてご紹介します。
表面処理で一般的に行われている方法として主に「熱処理」と「めっき」の2種類が挙げられます。
熱処理は加熱する事によって素材硬度の上昇を、そしてめっきは金属の被膜で製品を覆い様々な機能を付与します。
S45Cで作るモノの用途や使用目的に応じて、適切な表面処理を選択し、加工する必要があります。
ここでは、それぞれの表面処理について詳しく解説します。
熱処理(表面処理)
熱処理の大きな目的は、S45Cをより硬くすることです。
ピンや軸など、用途によって表面の強度の高さが必要になってくる場合には、熱処理を施します。
硬度の他にも、表面の均一度を調整や防錆性の付与、熱処理による機械的性能の向上など、様々な目的で施されます。
以下では、熱処理の種類をご紹介します。
・全体焼入れ(ズブ焼入れ)
金属の中心まで熱処理を施し、硬度を向上させる方法です。
・高周波焼入れ
ワークコイルに加工物を設置し、電磁誘導の熱によって焼入れをする方法です。
加熱後は急速冷却を行い、金属表面の硬度を上げることができます。
・バーナー焼入れ
バーナー焼入れとは、その名の通りバーナーで炎を金属に吹きつけ、硬度を上げる焼入れです。
ワークの形状やサイズの制限が少なく、局所的な焼入れが可能です。
・真空焼入れ
真空炉にて熱処理を行う方法です。
真空状態で行う為、酸化被膜ができず、光沢のある高品質な焼入れが可能です。
また、後工程を削減できるメリットもあります。
めっき(表面処理)
S45Cの表面に金属を被覆させることによって、機能性を向上させます。
大きな目的としては、防錆性を付与することであり、他にも加飾性、耐摩耗性の向上などが挙げられます。
また、S45Cに対するめっきにも種類がある為以下でいくつかご紹介します。
・硬質クロムめっき
クロムをめっきすることにより耐摩耗性や密着性を高めることが出来ます。
・低温黒色クロムめっき
超薄膜のセラミックを被膜することで、防食性能に優れた炭素鋼になります。
・無電解ニッケルめっき
電気を使用せず、化学的な還元作用でめっきを施す方法で、防食性や耐摩耗性を付与します。
・四三酸化鉄被膜(黒染め)
酸素と鉄が4:3の比率でできた黒色の酸化被膜を形成します。それにより炭素鋼に防錆効果を付与します。
用途に最適な表面処理をご提案いたします
当社、エースでは、お客様の用途に最適な表面処理をご提案いたします。
当社の営業スタッフは、お客様の製造ラインを直接拝見し、最適な治具や装置のご提案をしてきた経験があります。
S45Cはもちろん、それ以外の材質を使った製品や部品について、お客様の使用目的やご要望を丁寧にお伺いし、最適な加工方法(表面処理など)をご提案いたします。
また、お客様からお預かりした図面通りに製作するだけでなく、図面を読み取り、用途に適した素材のご提案や、過剰な加工の省略のご提案など、コスト削減につながるご提案も可能です。
モノづくりだけでなくコスト削減(VA提案)についてもお気軽にご相談ください。
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エースはS45Cの加工から表面処理を承ります
エースはS45Cの材料調達・加工から表面処理(めっき、塗装、黒染め等)まで承ります。
今回はS45Cの表面処理についてご紹介しました。
表面処理には多くの種類があり、用途や目的に応じて選択します。
高品質な製品をつくるためには、材料はもちろんのこと、加工についても知識を深める必要があります。
当社、エースは表面処理においても知識が豊富ですので、何かモノづくりでお困りの事、課題等ございましたらお気軽にご相談ください。
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