2022年6月27日
S25Cの機械的性質(強度・硬度)とは?
S25Cの機械的性質(強度・硬度)をご紹介します。
S25Cは比較的安く、一般的に流通している材料の一つです。
機械的性質は引張強さや伸び、絞り、硬度などを指し、加工に適しているかを確認できます。
JIS規格で機械的性質は特に規定されていません。
ただ、旧JIS規格では直径25cmのS25Cの試験片において、下記のような機械的性質の規定がありました。
■機械的性質
熱処理 | 降伏点 [N/m㎡] |
引張強さ [N/m㎡] |
伸び [%] |
絞り [%] |
シャルピー衝撃値 [J/c㎡] |
硬度 [HBW] |
---|---|---|---|---|---|---|
焼ならし | 265以上 | 440以上 | 27以上 | – | – | 123~183 |
焼なまし | – | – | – | – | – | 121~156 |
熱処理で硬度を調整することができますが、機械的性質を見るとそこまで硬度や強度は上がらないことが分かります。
どちらかというと靭性に優れた素材です。
もしS25Cの加工や部品製作を依頼したいけど、
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S25Cの物理的性質
S25Cの物理的性質は強度などが分かる機械的性質とは違い、熱に対する性質や重さなどが分かります。
お作りしたい製品が、熱・電気に対する性能や重さを重視する場合は、機械的性質だけでなく物理的性質も確認しておくとよいでしょう。
ただ、今回ご紹介するのはS25Cに似た炭素量の炭鋼材の物理的性質ですので、参考程度に御覧ください。
縦弾性係数 [GPa] |
横弾性係数 [GPa] |
ポアソン比 [常温] |
密度 [g/c㎡] |
比重 |
---|---|---|---|---|
205~206 | 79~82 | 0.27~0.29 | 7.84~7.86 | 7.84~7.86 |
融点 [℃] |
熱伝導率 [W/(m・k)] |
電気抵抗 [μΩ・cm] |
熱膨張係数 [10-6/K] |
固有抵抗 [10-8Ω・m] |
比熱 [J/(kg・K)] |
---|---|---|---|---|---|
1660~1770 | 44~60 | 13.3~19.7 | 10.7~11.6 | 13.3~19.7 | 0.474~0.494 |
S25Cの化学成分
S25Cの化学成分は機械的性質や物理的性質とは違い、JIS規格で定められています。
■化学成分
C | Si | Mn | P | S | Ni | Cr | Cu | Ni+Cr |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
0.22~0.28 | 0.15~0.35 | 0.30~0.60 | 0.030以下 | 0.035以下 | 0.20 | 0.20 | 0.30 | 0.35 |
S25Cは炭素量はそれほど多くないため軟らかい素材ですが、他の低炭素鋼と比べると硬度があります。
ちなみにS25Cは熱処理が可能ですが、これよりも炭素量が低い炭鋼材は熱処理を行わずに使用します。
S25CとS45Cの違い
S25CとS45Cの大きな違いは、鋼材に含まれている炭素含有量です。
S25Cの代表的な炭素量の値は0.25%ですが、S45Cの代表的な炭素量の値は0.45%です。
炭素量が高ければ硬度が高くなるため、炭素量の多いS45Cの方が硬く、強度(引張強さ)がある材質なのです。
またS45Cは高周波焼入れが可能ですが、S25Cは高周波焼入れができないという違いもあります。
S25Cの加工性や用途をご紹介
S25Cは加工性に優れており、様々な用途で使用される材料です。
ある程度硬度を求められる溶接構造等に使用されます。
なぜ溶接にS45CではなくS25Cが使用されるのかというと、急冷したときに溶接割れしにくいからです。
S45Cは急冷して縮んだときに割れてしまう可能性があります。
どうしてもS45Cを使用する場合は、焼きなましをしてクラックのリスクを下げなければなりません。
それを知らずに材料を選んで溶接をしてしまうと、見た目では分からないので後から使用中に割れて事故に繋がることがあります。
S25Cはそういったリスクが少なく、尚且つある程度硬さがあって安いため溶接に選ばれるのです。
またその機械的性質から溶接構造以外にも、ネジや工具、ステアリングなどの自動車部品に使用される材料です。
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