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S45CとS50Cの違いとは?特徴や用途、性質を解説します

2022年7月1日

S45CとS50Cの違いとは?材料選定で知っておきたい特徴や性質を解説

S45C、S50Cの違いについて、ご紹介します。

この二つの鋼材は一般的によく使われていますが、その違いをご存知でしょうか?

設計や加工をする上で、金属材料の知識を持つことはとても重要です。

今回は炭素鋼のS45CとS50Cの違い、そしてそれぞれの炭素鋼の特徴について、東京都大田区の金属加工会社、エースがご紹介します。

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S45CとS50C、この二つの炭素鋼の違いとは

S45CとS50Cにはどのような違いがあるのでしょうか。

両方とも汎用性が高く、入手性・加工性ともに良いため、一般的に採用されることが多い鋼材のひとつです。

これら素材のことについて既にご存知の方もいらっしゃる方も多いと思いますが、材料選定時の再確認としてお役に立ててください。

 

そもそも炭素鋼とは

S45CとS50Cの違いについて解説する前に、まずは炭素鋼そのものについて簡潔にご紹介しましょう。

炭素鋼は鋼の一種で、鉄と鋼の合金です。

炭素鋼の中でも、鋼に含まれている炭素の量によって「低炭素鋼」「中炭素鋼」「高炭素鋼」の3種類に分けられます。

今回ご紹介するS45C・S50Cは、「SC材(機械構造用炭素鋼)」の一種で、低炭素鋼~中炭素鋼に該当します。

 

S45CとS50Cの違いについて

では、S45CとS50Cはどのような違いがあるのでしょうか。

その答えは、「炭素含有量」と「形状」です。

ひとつめの違いとして、炭素含有量をご紹介しましょう。

SC材はS(steel)とC(carbon)の記号の間に、その素材に含まれている炭素の量(炭素含有量)が表されています。

つまり、S45Cは炭素が0.45%、S50Cは0.50%の炭素が含まれている鋼材ということです。

ふたつのSC材を比較すると、S50Cの方が0.05%ほど炭素の量が多いことがわかります。

ですが、硬さに大きな違いがあるかというとそういう訳ではありません。

炭素量で0.05%の違いがあるためS50Cの方が若干硬いですが、実際にはそこまで大きな差はありません。

ふたつめの違いは「形状」です。

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一般的に、S45Cは丸い形(線材、丸棒、ミガキ材)、S50Cは四角い形(板材、角材)として流通していることがほとんどです。

角鋼を使用するときはS50C、丸鋼を使用するときはS45C、など用途によって使い分けられます。

このように、S45CとS50Cは炭素量と流通している

形状に違いがありますが、大きな違いを挙げるとすれば、炭素量による違いよりも形状の違いの方が大きいと言えるでしょう。

 

中間にS48Cもある

S45CとS50Cは非常によく採用される鋼材ですが、このふたつの中間の炭素量を持つ鋼材としてS48Cもあります。

現在のJISを見ると記載のない鋼材で、コスト面の問題で廃盤となっています。

ですが、どうしても必要な場合には、電炉メーカー(鋼材メーカー)に注文する事が可能です。

その場合は1ロット分(6t~10t ※一窯分)のオーダーとなります。

 

S45Cについて

S45CとS50Cの違いについてご説明しましたが、ここからは各素材について解説します。

S45Cの特徴や性質、メリット・デメリットについてご紹介します。

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特徴

S45Cは機械材料としてよく使われる材料として知られています。

S45Cには前述した通り0.45%の炭素が含まれており、ひと昔前の図面だとS450Cと表示されている場合もあります。

SS400と同じくらいよく使われており、SC材の中で最も流通量が多く、汎用性の高い材料として知られています。

S45Cの特徴は以下の通りです。

・丸い形(線材、丸棒、ミガキ材)をしているものが一般的に流通している。
・焼入れをすると硬くなる。
・溶接や焼入れをすると、反りや曲がりの変形が大きい
・錆びやすいため、表面処理として防錆処理が必要

熱処理によって機械的性質が向上し硬さがでるため、耐久性が求められる機械部品によく使用されています。

焼入れで硬さができますが、焼入れをしない場合でも多く使われている材料です。

 

メリット・デメリット

S45Cのメリットとデメリットについてご紹介します。

【メリット】
・熱処理によって強度が上げられる(HRC45前後)
・熱処理前は切削加工がしやすい
・幅広い用途で使える
・比較的安価

【デメリット】
・熱処理によって機械的性質が向上する反面、溶接には不向き
・板金にはあまり使用されない
・表面処理(防錆)が必要
・溶接や熱処理で反りや曲がりが出る場合がある

 

用途

S45Cは、シャフトや歯車、軸、ピン、ボルト、ナットなどの機械部品によく使用されています。

機械の内側の部品に使用されることが多く、エンジン周辺の部品やギアなど、ある程度の強度が求められる機械部品によく使われています。

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S50Cについて

S50CはS45Cと同様、よく使われている鋼材です。

S50Cの特徴やメリット、デメリット、そして用途についてご紹介します。

 

特徴

S50CはS45Cと同様、一般的によく使われる機械構造用炭素鋼鋼材で、炭素含有量は0.50%です。

S50Cの特徴は以下の通りです。

・四角い形(板材・角材)で一般的に流通している
・炭素量が多いため、耐摩耗性に優れている
・錆びやすいため、防錆処理が必要

S50CはS45Cと同様、焼入れによって硬度を高めることができます。

炭素量にS45Cと0.05%の違いはあるものの、焼入れ後の硬さはS45Cとほとんど差はありませんが、引張強さはS50Cに軍配が上がります。

一方で炭素量が多いため、焼入れをすると脆くなることもあります。

高い強度が求められる四角い形のものに、S50Cを選択すると良いでしょう。

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メリット・デメリット

S50Cのメリットやデメリットは、ほとんどS45Cと同様です。

【メリット】
・熱処理によって硬度が高められる
・熱処理前は切削加工がしやすい

【デメリット】
・錆びやすいため、表面処理が必要
・形状によっては焼き割れが発生する場合がある

S50Cは高炭素の材料のため、薄い形や細かい形など、形状によっては熱処理を加えると焼き割れが起こる可能性があります。

形状によっては注意が必要になる素材ということは把握しておきたいポイントですね。

 

用途

S50Cはプレート、ベース、ブロック、ブラケット等 機械部品や装置部品など、幅広い用途で使用されています。

S45CとS50Cは、ほぼ同じ用途で使われています。

ですが、S50Cは0.05%炭素量が多いため、耐久性が求められる金型などで使われることもあります。

 

S45CとS50Cの機械的・物理的性質について

S45CとS50Cの機械的性質、そして物理的性質についてご紹介します。

※機械的性質と物理的性質はJISによって定められています。ご紹介の数値は代表値となります。

機械的性質

材質記号 熱処理 機械的性質(代表値)
引張強さ 降伏点 伸び(%) 硬度(HBW)
S45C 焼きならし 570以上 345以上 20以上 167~229
焼きなまし 137~170
焼入れ/焼き戻し 690以上 490以上 17以上 201~269
S50C 焼きならし 610以上 365以上 18以上 179~235
焼きなまし 143~187
焼入れ/焼き戻し 740以上 540以上 15以上 212~277

 

物理的性質

次に物理的性質についてご紹介します。

S45C S50C
融点 約1,535℃ 約1,660~1,680℃
密度(g/cm³) 7.84
ヤング率(GPa) 205
剛性率(GPa) 79 82
ポアソン比 0.3 0.25
線膨張率(ppm/K) 11.9 11.7
定圧比熱(J/kg・K) 490 489~494
熱伝導率(W/m・K) 45.0 44

下記の表をご覧いただくと、S45CとS50Cは物理的性質に大きな違いがないことがお分かりいただけるかと思います。

 

加工方法と表面処理、焼き入れについて

加工方法と表面処理および焼入れについてご紹介します。

これまでS45CとS50Cの特徴についてご説明してきましたが、ここからはこの二つの材料の加工方法や表面処理、焼入れ時の特徴や留意点について詳しくご紹介します。

 

加工方法について

どちらも、焼入れ前の場合は切削加工がしやすい材料です。

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旋盤・フライス盤での切削加工、鋸盤での切断加工なども可能です。

焼入れ後は硬度がHRC45以上になるため、研磨等で仕上げを行うことが一般的です。

溶接については、どちらも炭素を含んでいるため溶接向きの材料とはいえません。

溶接すると焼きが入るため、反りや曲がりなどの変形の他、割れる恐れがあります。

決して溶接できないわけではありませんが、溶接前の予熱や溶接後の後熱も行うなどを行うと良いでしょう。

決して溶接に向いている素材ではないため、溶接による欠陥が問題になるようでしたら、CM材など他の材料を検討する事をお勧めいたします。

 

表面処理や焼入れ

S45C、S50Cでよく行われている表面処理や焼入れについてもご紹介しましょう。

どちらも熱処理によって硬度や強度が向上します。
※熱処理をしない生材でも一般的に使用されます。

表面の硬度、耐久性が求められる場合は、高周波焼き入れや火炎焼入れ(バーナー焼入れ)を行います。

ですが、60HRC程度の高い硬度を求める場合は焼き入れをS45Cで行っても難しいため、材料変更を検討する事をお勧めいたします。

焼入れをすると機械的硬度は高まりますが、硬くなる一方で脆くなる性質もあるので使う箇所に注意する必要があります。

また、両方の材料は錆に強くないため、めっきで腐食を防止するほか、耐摩耗性を向上することも多くあります。

めっきは黒染め(四三酸化鉄被膜)、パーカー、ユニクロ(白色)などのほか、無電解ニッケルめっき、低温黒色クロムめっき、硬質クロームめっきなどがあります。

 

SS400とS45Cの違いについて

S45CとS50Cの違いについてご紹介しましたが、S45CとSS400との違いについても良くご質問頂きます。

SS400も橋や船、大型の機械など、幅広い分野で一般的に使われている材料です。

S45Cとの違いを簡単にご紹介しましょう。

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主な違いは以下の通りです。

・化学成分が異なる
・SS400の方が溶接に向いている
・S45Cは焼入れができるが、SS400はできない
・SS400は鉄鋼材料の中も柔らかい
・価格・加工性はSS400に軍配が上がる

一般的に、強度が求められる場合にはS45Cを、それほど必要ではない部品にはSS400を選ぶことも多いです。

 

2次加工まで一貫対応!S45CやS50Cの加工はエースにお任せください

S45CやS50Cの加工はエースにお任せください!

このふたつの鋼材は他の材料よりも比較的安価で一般的によく使われています。

そのため、加工に対応できる金属加工会社は数多くあります。

金属加工会社であれば、大体の会社が加工に対応できると思います。

ですが、加工会社によって加工コストに大きな違いがある場合もあります。

これは加工会社によって保有している設備や加工方法に違いがあるからです。

材料が安価でも加工費が高くなりやすいので、加工費を抑えるために加工方法や発注する加工会社の選定は必須といえるでしょう。

金属加工会社である当社、エースは自社の工場で加工を行っている他、全国にある工場とのネットワークがあるため、あらゆる加工に対応しております。

全国の「加工が得意な工場」を知っているので、高品質なのはもちろんのこと、低コストでの加工も実現します。

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材料調達から納品までワンストップでご依頼いただけますので、手離れの良さも当社の強みです!

また、当社営業スタッフがお客様の図面を拝見し、品質を向上或いは維持しつつコストを抑えられるVA提案も行っております。

加工方法でご不明な事がありましたら、お気軽に当社営業スタッフまでご相談ください。

最適な加工方法をご提案いたします。

VA提案で製造業のお悩みを解決!事例やVA提案とVE提案の違いをご紹介

 

S45CとS50Cは炭素含有量や形状が違う!目的に合った材料を選定するのが大事

今回のコラムではS45CとS50Cの違いをテーマに、ふたつの材料の違いやそれぞれの材料の特徴や用途、そして加工方法や焼入れ、表面処理のポイントについてご紹介しました。

S45C、S50Cは炭素含有量や形状に違いがあることがおわかりいただけたかと思います。

ふたつとも似ている材料ではありますが、求める強度や形状によって使い分けることをお勧め致します。

また、加工会社に発注する場合は、加工会社の得意分野でないと加工コストが高額になるケースもあるので、業者選定は重要といえるでしょう。

東京都大田区の金属会社、エースは今回ご紹介したS45CとS50Cをはじめ、あらゆる材質の加工に対応しております。

当社の経験豊富な営業スタッフが、お客様のご依頼内容やご予算をしっかりとお伺いし、最適な加工方法をご提案いたします。

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