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C2801Pの材質、成分、特徴を解説!黄銅は加工性が高い材料です

2022年10月12日

C2801Pの材質についてご紹介

C2801Pの材質は、安価で熱間加工性に優れているという特徴があります。

その材質から、C2801Pは生活雑貨から工業製品まで様々な用途で使用されています。

では具体的にC2801Pはどのような性質を持ち、どのようなときに選ばれる材料なのでしょうか。

C2801 材質 加工された銅

今回の記事ではC2801Pの比重・硬さ・成分などの材質や用途を、金属加工会社エースが詳しく解説します。

金属部品の製作など、ものづくりの材料選定の際にご参考ください。

 

C2801Pの比重・硬さ・成分

C2801Pの比重・硬さ・成分をご紹介します。

C2801Pは黄銅3種(真鍮)と呼ばれる材料です。

黄銅は亜鉛と銅の合金で、亜鉛が20%以上含まれているものを指します。

成分を見ると分かるように、銅(Cu)がおよそ60前後で残りの約40%がほぼ亜鉛(Zn)です。

■成分

Cu Pb Fe Sn Zn Al Mn Ni P Zr
59.0~62.0 0.10以下 0.07以下 残部

黄銅の硬さはおよそ80〜150HVほどといわれていますが、C2801Pはどうでしょうか。

硬さ・比重に関しては、参考に引張強さなどの値とあわせて次の表にまとめました。

■硬さ・比重

質別 厚さの区分
(mm)
引張強さ
N/m㎡
伸び
耐力
(0.2%)
N/m㎡
硬さ
HV
比重
O 0.30以上、1.0以下 325以上 35以上 167 79~86 8.39
1/4H 0.30以上、30以下 355~440 25以上 198 85~145
1/2H 0.30以上、20以下 410~490 15以上 275 105~160
H 0.30以上、10以下 470以上 500 130以上

他の単位の硬さ(HS・HRCなど)については、硬さ換算表をご参考ください。
硬さ換算表はこちら

質別というのは、材質の違いではなく表面仕上げのことをいいます。

  • O・・・再結晶または焼きなましした状態
  • 1/4H・・・引張強さが1/8Hと1/2Hの中間となるように加工硬化処理された状態
  • 1/2H・・・引張り強さが1/4Hと3/4Hの中間となるように加工硬化処理された状態
  • H・・・引張強さが3/HとEHの中間となるように加工硬化処理された状態

質別記号は8段階あり、引張強さはOが一番弱くSHが一番強くなります。

O・OL < 1/8H < 1/4H < 1/2H < 3/4H < H < EH < SH

JISH3100では主にO、1/4H、1/2H、Hが規定されています。

表記の仕方としては、JIS番号の最後にハイフン(-)を入れて質別番号を記します。

例:C2801P-O

材料を販売しているショップなどでも、加工処理されたものなどは材質についてこのような表記をされているので、材料選定の際にご参考ください。

 

C2801Pの性質や特徴を解説

C2801Pの性質や特徴は冒頭でもご紹介しましたが、他にも優れた性質があります。

■優れた性質

  • 熱間鍛造
  • 溶接性
  • めっき性
  • 導電率
  • 耐食性
  • 冷間鍛造
  • 曲げ
  • 深絞り
  • かしめ
  • シャー
  • プレス

冒頭で材質について熱間加工性に優れているとご紹介したように、熱を使う溶接やめっきなどの性質には特に優れています。

C2801Pは材質的に熱には優れた加工性はあるものの、冷間加工性はよくありません。

この他にも下記の性質に劣っているため、下記を重視する製作にはほとんど選ばれません。

■劣っている性質

  • ばね性
  • 耐摩耗性
  • 被削性

ただ通電性の良い材質のC2801Pは、強電(発電所など)で使用する板バネの材料に選ばれることがあります。

粘り気の少ないC2801Pはバネ性が低く、破断しやすい素材です。

それでも選ばれるのは、C2801Pを使用する理由が他にあるからです。

その理由は様々で、例えばバネ性よりも通電性などC2801Pの優れた材質を重視して材料を選定しているケースもあります。

このように、材料を選ぶ際は優れた性質、劣っている性質を考慮した上で選定をすると良いでしょう。

 

C2801とC2801Pの違い

C2801とC2801Pは成分に違いはなく、材質的には同じものです。

ではC2801Pの「P」とはどういった意味を持つのでしょうか。

この「P」は、板を意味する記号です。

つまりC2801Pとは、C2801の板材を示しているのです。

C2801 材質 銅

ちなみに、C2801は主に板と条が一般的に流通していますが、条の場合はC2801R、条の特殊級はC2801RSと表します。

形状ごとに使用されるケースは異なります。

ではC2801Pはどういった用途で使用されるのか、次項で詳しく見ていきましょう。

 

C2801Pの用途

C2801の用途はその材質から、強度や展延性が活用されるようなものに使用されます。

■主な用途

  • 打ち抜いた配線器具部品
  • 折り曲げて使用する配線器具部品
  • ネームプレート
  • 計器板
  • 装飾部品
  • 機械装置用部品

電気工業の分野で使用されることが多いですが、他にも建設業許可票などの素材にも採用されています。

またC2801Pは他の黄銅に比べて安価で手に入りやすい素材です。

尚かつ流通している板厚サイズも豊富ですので、板金加工全般にも使用されます。

もしC2801Pで部品などの製作をご検討中の方は、エースへご相談ください。

 

C2801Pの材質の加工はエースにお任せください!

C2801Pの材質は機械加工性が高いため、さまざまな部品の材料として選ばれます。

当社はC2801Pのフライス加工、旋盤加工、熱処理(なまし)、めっき処理に対応しており、部品製作などのご依頼が可能です。

ただ強電など通電性を求める場合、加工時の錆による変色が心配な方もいるのではないでしょうか。

そのような場合は、変色の対策が必要かどうかを事前にご相談いただければ対応いたします。

C2801 材質 株式会社エース

熱処理ではなましに対応しており、その材質から曲げ加工などで起こる微細なクラックを除去します。

めっき処理では、錫めっきやはんだめっきなどで、防錆や不純物防止、または見た目をきれいに仕上げる目的で行います。

例えば身近なものですと、”コンセント”はこれらのめっき処理をすることで、不純物や錆などで通電性を損なわないようにしてあります。

実際にエースでは、強電を扱うメーカー様から錫めっきやはんだめっきのご依頼を承った実績があります。

そのご依頼では、銅の部品と通電防止のための樹脂の部品が付着している状態で、二つの部品にまとめてめっきを施しました。

加工だけでなく、C2801P以外の材質で迷っている場合や、材料調達にお悩みの場合にもお気軽にご相談ください。

材質、用途、加工方法を考慮して材料選定をサポートし、材料調達から加工まで当社で対応いたします。

まずはご依頼内容をお聞かせください。

ご相談やお見積もり依頼は下記お問合せ窓口よりご連絡ください。

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