2022年7月22日
S45Cの引張強さとは?
S45Cは引張強さ(強度)がある材質で、加工性にも優れているため機械部品などに幅広く使用されています。
ここではS45Cの引張強さについて詳しく触れる前に、まずは引張強さとはどのようなものなのかご紹介します。
【引張強さとは】
サンプルの材料(試験片)に対し、引力をかけて破壊されるまでの反応や数値を測ったときの値のことです。
引張試験によって材料が破断されるまでの数値を出し、最大応力を迎えた地点を引張強さといいます。
引張強さを見ることで、S45Cなどの材料にはどのくらいの強度があるのかが分かり、また破壊に対する安全率を求めることができます。
今回は金属の部品加工、治具・ユニット・試験片の製作などを手掛けるエースが、S45Cの引張強さについて解説します。
S45Cの引張り強さ(引っ張り強度)
S45Cの引張強さは、熱処理方法によって数値が変わります。
焼ならし・・・570N/mm²以上
焼入れ・焼戻し・・・690N/mm²以上
このように、焼入れ・焼戻しを行うことで、より引張強さを高めることができます。
熱処理しなくても降伏応力が345MPaあるので、そこまで強度が必要なければ生材のまま使用されることもあります。
S45Cの機械的性質もチェック
S45Cは流通量が多く安価なため、コストを抑えたいという場合によく選ばれる材質です。
ただ、製作したい部品やユニットなどに適した強度や硬度があるのか、あらかじめ確認はしておきましょう。
先程ご紹介した引張強さもあわせて表でまとめたので、ご参考ください。
機械的性質 | 降伏点 N/mm² |
引張強さ N/mm² |
伸び % |
絞り % |
硬さ HBW |
焼ならし | 345以上 | 570以上 | 20以上 | – | 167~229 |
焼鈍 | – | – | – | – | 130~170 |
焼入れ・焼戻し | 490以上 | 690以上 | 17以上 | 45以上 | 201~269 |
S45C・S50C・SS400の違いやそれぞれの用途
S45C・S50C・SS400の違いや用途についてご紹介します。
この3つの材料は似ているので、どれを選ぶか頭を悩ませる方もいるのではないでしょうか。
特にS45CとS50Cは同じ機械構造用炭素鋼であり、S50C・S48C・S45Cを総称してS45Cと表記される場合もあります。
炭素量も0.05%しか変わらず、硬さにはそれほど違いはありません。
ただS45Cは線材・丸材・ミガキ材が主に流通していますが、S50Cは主に板材が流通しているという違いがあります。
一方、SS400はS45Cに比べて軟らかい材質であるという違いがあります。
なぜならSS400は炭素量の規定がなく、含有していてもS45Cほどの硬度はないからです。
またS45Cとは違い、SS400は焼入れには向いていないものの、溶接には適しています。
【用途】
- S45C、S50C・・・機械内部の部品、シャフト、軸、ピンなど
- SS400・・・車両、船などの構造、機械部品、建築分野など
もし加工や製作のご依頼の際に、材料についてご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
炭素鋼S45Cの加工性や加工方法
炭素鋼S45Cは加工性が高い材料ですので、研削・鍛造・熱処理・めっきなどの加工ができます。
ある程度の引張強さや硬さがあり、加工性に優れているため、多くの機械部品に使用されるのです。
エースでも、S45Cの旋盤やフライス盤加工、熱処理、めっきなどに対応しております。
ただS45Cは溶接割れしやすい素材ですので、溶接をご希望の場合は割れにくいS25Cなど他の材料をご提案させていただくこともございます。
このように使用状況や製作内容を踏まえた上で、加工方法や材料についてご提案することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
S45Cの部品加工・製造・表面処理はエースにお任せください
S45Cの部品加工・製造・表面処理などができる加工会社をお探しの方は、ぜひエースまでご連絡ください。
ご不明な点やお悩みがある場合でも、業界を熟知した営業担当者がしっかりとサポートさせて頂きます。
今回はS45Cの引張強さを中心に、加工性や用途などをご紹介しましたが、その他の性質については下記記事でもご紹介しておりますので、あわせて御覧ください。
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