2023年11月29日
S45Cの旋盤加工について解説します
S45Cの旋盤加工は、東京都大田区の金属加工会社、エースにご相談ください!
S45Cは炭素鋼の1種で、旋盤加工では最も多く扱われる炭素鋼のひとつです。
S45Cは生材のほか、ミガキ材、また表面処理して強度を高めた調質材もあります。
形状は一般的に丸棒で流通していますが、六角材などの形状もあります。
S45Cは使い勝手の良い素材のため、よく扱われている素材ではありますが、品質の良いモノ作りのためには素材を理解することが大切です。
今回は、S45Cの旋盤加工を主題に、素材の基本的な知識、そして旋盤加工のポイントについてご紹介します。
設計時やモノづくりのご参考にしてください。
S45Cの特性や用途について
S45CはSC材(機械構造用炭素鋼)の一種で、比較的コストも安く流通量も多いことから使用頻度の高い材質です。
S45Cの特性は下記の3つです。
- 熱処理によって硬度の向上が可能
- 切削性、溶接性が良い
- 流通量が多く種類も豊富
これらの特性が炭素鋼のなかでもよく使用される理由になります。
前述しましたが、形状は丸棒で流通しており、四角い形状はほとんどありません。
(四角い形状の炭素鋼を使用する場合、S50Cを選びます。)
S45Cの用途はボルトやナット、シャフトやピンなど機械部品をはじめ、幅広い用途で使われています。
機械部品の材料に選ばれる理由は、エンジン回りやギアなどに使用する部品は一定の硬度が求められるからです。
S45Cは熱処理によって硬度を向上させることができるため、硬度が必要な用途の場合は熱処理を施したものを使用します。
S45Cの特性について、こちらのコラムでも詳しくご紹介していますので、是非ご覧ください。
S45CとSS400との違いについて
S45Cと並んでよく使われる素材がSS400です。
SS400はSS材(一般構造用圧延古材)の一種で、400は下限の引張強さを意味しています。
SS400も非常に扱いやすい素材で流通量も多く、そして価格が安価なことから汎用的に使われています。
S45Cとの違いは以下の通りです。
・強度(0.45%程度の炭素を含む為、S45Cの方が高く、SS400が低い)
・S45Cよりも安い
・熱処理による強度の向上が見込めない
多くのメリットのある素材ですが、硬度が低いため、精度の良い切削加工をする場合や、硬度が要求される用途の場合には、熱処理をしたS45Cや調質材を使う方が良いでしょう。
S45Cの旋盤加工のポイント
S45Cの旋盤加工のポイントについてご紹介します。
S45Cはよく旋盤加工をされる素材ですが、いくつかのポイントを抑えた加工をすることが大切です。
S45Cの旋盤加工のポイントは下記のとおりです。
●旋盤加工のポイント
- 適切な切削条件を設定する
- 加工品、加工内容に適した刃物を選択する
- 工夫をすることで高精度な加工が可能
これらの3つのポイントに注意すると、品質の良い旋盤加工が実現するだけでなく、工具(刃物)の摩耗も抑えることができます。
旋盤加工のポイントについて、以下にて詳しくご紹介します。
【精度を求める場合】
高精度な加工を行う場合、硬度の高い材料の方が精度を出しやすいため、寸法精度を求める場合は熱処理で硬度を調整したS45CやS50Cの使用が適しています。
ですが、硬度があると精度が出しやすくなる一方で、硬度がHRC30を越えてくると加工の難易度が上がります。
エースはHRC40程度の硬度にも対応可能ですので、難易度の高い加工、高精度な加工も得意としておりますので、モノづくりで課題がありましたらご相談ください。
適切な加工条件を設定する
S45Cを旋盤加工する場合、加工条件は重要なポイントです。
適切な条件を設定しないと工具の破損や製品の仕上がりに影響が出てきます。
旋盤加工の加工条件は、使う工具、加工する品の材質、そして機械などの条件によって加工条件が異なります。
また、適切な条件で切削していないため工具にも過度な負担がかかり破損してしまいます。
このことから適切な加工条件の設定は重要ですので注意しましょう。
適切な加工条件は、工作機械のメーカーやサイトにて推奨の条件が掲載されていますので、お使いの機械のメーカーの情報を確認してください。
加工品、加工内容に適した刃物を選択
2つ目のポイントは加工内容に適した工具(刃物)を選択することです。
切削内容に適した工具を使用することで、精度もあがり、加工時間も短くなるため生産性の向上にも期待できます。
加工条件の設定に並んで重要なポイントと言えるでしょう。
これまでにもご紹介した通り、S45Cには生材の他に調質材や焼き入れ材があります。
それぞれ加工条件、加工内容に適している工具は異なりますので、注意して選択をしましょう。
以下のコラムでは、S45Cを旋盤加工するときの刃物選びのポイントについて詳しくご紹介しています。是非ご参考ください。
S45Cの旋盤のポイントや材質を解説!金属加工はエースにご相談ください
工夫をすることで高精度な加工が可能
旋盤加工は一般的な加工方法のひとつですが、ワークの形状によっては加工がしにくかったり、精度が出しにくい場合もあります。
このような場合は、ワークに合わせて工夫をすることで、効率的で品質の良い加工ができます。
例えば、長尺ワークの場合は旋盤加工でたわんでしまい寸法がズレてしまうことがあります。
旋盤加工をする際、たわんでしまう径のワークには、サポートとして振れ止めなどを使用すると、安定した加工が可能になります。
逆にチャックでつかみきれないような大径物(径が短いワーク)の場合は、真ん中に穴を空けてヤトイを使用したり、敢えて長い材料を使用し、加工後に切断する方法などがあります。
このように加工がしにくい場合は、ワークや加工内容に合わせて工夫をすることで、作業がしやすくなり、品質の向上にも繋がります。
また、S45Cの加工時には錆止めの対応も大切です。
歪みや錆を抑え、精度を出すためにはクーラントを使用することをおすすめいたします。
クーラントには錆止めが含まれていないものもありますので、このような場合には加工後に防錆として塗布すると良いでしょう。
エースは旋盤加工をはじめ、あらゆる素材の加工を承ります
エースは旋盤加工をはじめ、多岐にわたる加工(切削、研削(研磨)、溶接、表面処理など)を行っている金属加工会社です。
当社は東京都大田区に拠点を構え、自社工場を所有している他、全国に300以上の協力会社と連携を持ち、そのネットワークを活かして幅広い加工ニーズに応えています。
そのため、どのような素材、加工にも柔軟に対応することが可能です。
お客様のご期待に応えるため、製造体制を整えており、品質の良さや納期、そして提案力に多くのお客様から高い評価を頂いております。
以下にて、当社エースの特色について詳しくご紹介いたします。
各工程で検査を実施!高品質を実現し、安心を提供いたします
製品を安心してお使いいただくために、エースでは万全の検査体制を整えております。
工程ごとに都度検査を実施しており、製品の欠陥を早期に発見し、迅速に対応することが可能となっています。
当社の検査室は24時間22℃で保たれており、専門の検査員が製品の品質を確認しております。
検査室には三次元座標測定機、画像寸法測定器などの検査器が完備しており、徹底した検査体制にて確認をしております。
協力会社で加工・検査を行った場合でも、必ず自社に持ち帰り、検査を実施しています。
このような徹底した検査体制により、お客様にご満足いただける信頼性の高い製品を製造し、確実な納期にて提供しております。
あらゆる加工にワンストップで対応
当社では、一括での発注が可能なワンストップサービスも提供しております。
発注先が当社に一本化されることによって業務の効率化やコスト削減の実現が可能です。
材料調達から加工、組立まで、製品や部品の製造から納品までの全工程を一つの窓口で対応することができるため、業者とのやり取りや管理業務が大幅に減少します。
これまでご紹介した通り、当社では工程ごとの都度検査を実施しているため、万が一のトラブルにも迅速に対応することができるのが特徴です。
同様のサービスを提供している企業は他にもありますが、他社との違いは「得意な工場を知っている」という点です。
「金属加工はどこも同じ」、そうお考えではありませんか?
実は工場によって得意分野があり、同じ加工内容でも仕上がりや納期に違いがあります。
当社は全国にある300社以上の協力会社の「得意分野」を把握しているため、ご依頼の加工を得意としている工場をコーディネイトしております。
当社にワンストップでお任せいただくメリットは、単純に手離れが良くなる点だけではなく、高品質な製品を短納期で製造できる点です。
旋盤加工が得意な工場をお探し中、業者選定でお困りでしたら、是非一度ご相談ください。
旋盤加工(S45C)の事例
旋盤加工(S45C)の事例を一部ご紹介します。
●測定機用治具(検査治具)
材質:S50C、S45C
旋盤加工の他、フライス加工、平面研削、組み立てをいたしました。
設計からご依頼いただき、検査する部品が常に同じ位置にセットできるように設計、製造致しました。
●検査治具
材質:S45C、S50C
旋盤加工の他、フライス加工、平面研削、組み立て、表面処理を行いました。
こちらも設計からご依頼いただきました。
スプラインシャフト部品を三次元測定機で測定するための治具で、「検査時間の短縮」「平行にセットし、同時に位置決めできる」点がご要望としてありました。
平行にセットするVの高さが重要だったため、加工精度、耐摩耗性を重要視した事例となります。
S45Cの旋盤加工は金属加工のエースにお任せください!
S45Cの旋盤加工は当社、エースにお任せください!
今回のコラムでは、S45Cへの旋盤加工について、S45Cの材質について、また旋盤加工のポイントなどをご紹介しました。
S45Cへの旋盤加工は一般的によく行われている金属加工ですが、材質を理解し、ポイントを抑えた加工をすることはとても重要です。
特に精度を出すためには、旋盤加工だけでなく、素材の知識も重要です。
S45Cの場合、生材ではなく調質材などの硬度の高いS45Cを使用する事で精度が出しやすくなります。
生材からの変更が難しく、難易度の高い加工でお困りでしたら、当社エースにご相談ください。
当社は難易度の高い金属加工(旋盤加工)を得意としているほか、全国300社以上の工場とパートナー関係にあるため、お客様のご要望にお応えすることが可能です。
難易度の高い素材への切削加工(旋盤加工)にも対応しており、S45Cだけでなく他の素材に関してもご要望に応じることができます。
旋盤加工をはじめ、金属加工のことで課題がありましたらお気軽にお問い合わせください。
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電話:03-3790-5500
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